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2026/11/6

役立情報

「税金は払っているのに、建物が登記されていない」と言われた。なぜ? 

実家の売却や相続の相談をしたところ、「この建物は登記されていません」と言われた。

「毎年、固定資産税を払っているのに?」
「以前、市役所の人が家を見に来たはずだけど……」

このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、固定資産税の課税と、法務局で行う建物の登記は、目的の異なる手続きです。 そのため、税金は課税されていても、建物が未登記ということがあります。

① 未登記の建物にも、固定資産税はかかります

市町村は、家屋調査や所有者からの届出などによって建物を把握し、固定資産税の課税に必要な情報を管理しています。

一方、法務局では、建物の所在・種類・構造・床面積や、所有権などに関する情報を登記記録として管理しています。

固定資産税の課税

建物の登記

主な窓口

市町村の税務担当部署

法務局

目的

建物を評価し、税金を課すため

建物の状況や権利関係を公示するため

主な確認資料

課税明細書・課税台帳など

登記事項証明書・建物図面など

例えば、大府市は、法務局からの登記の通知に加え、市内の巡回などでも新築・増築された家屋を把握していると案内しています。建物を市町村が把握していることと、登記が完了していることは同じではありません。

② 「市役所で名義を変えた」だけでは、登記は完了しません

親が亡くなった後、市役所で手続きを行い、自分宛てに固定資産税の納税通知書が届くようになった。そのため、「家の名義変更は終わった」と思っているケースもあります。

ここで確認したいのは、何の名義を、どの手続きで変更したのかです。

納税通知書などを受け取る相続人の代表者を届け出た場合もあれば、未登記家屋について、課税台帳上の所有者を変更した場合もあります。

東海市でも、未登記家屋を相続した際の届出は、固定資産課税台帳の所有者を変更するものと案内されています。この届出によって、法務局に建物の登記記録が新たに作られるわけではありません。

また、税金を支払っているという事実だけで、その方が建物の単独所有者だと決まるわけでもありません。相続の場合は、遺言や遺産分割の内容なども確認します。

③ 建物全体が未登記なのか、増築部分だけなのか

「登記がされていない」と言われた場合でも、建物の状況によって必要な手続きは異なります。

建物全体に登記記録がない場合

建物の所在・構造・床面積などを調査し、初めて登記記録を作る「建物表題登記」を進めます。そのうえで、所有権保存登記などの権利に関する手続きを確認します。

建物の表題部はあるものの、所有権保存登記がされていない場合

建物の基本情報はすでに登記されています。建物全体が未登記の場合とは区別し、表題部の内容と現在の所有者を確認して、必要な手続きを検討します。

母屋は登記されているが、増築部分が反映されていない場合

増築後の床面積や構造などを確認し、建物表題部の変更登記を検討します。離れや車庫については、母屋との関係や利用状況によって扱いが変わるため、現地調査が必要です。

まずは、課税資料・登記記録・実際の建物を照らし合わせ、どの部分の情報が不足しているのかを整理することが大切です。

④ 売却や相続を進める前に、建物の記録を確認しましょう

建物を売る際には、誰が所有し、どの建物を引き渡すのかを明確にする必要があります。

未登記だったり、登記と現況が食い違っていたりすると、建物の調査や所有者の確認、必要書類の収集に時間がかかることがあります。買主が融資を利用する場合は、金融機関が求める登記の状態も確認しておきたいところです。

相続でも、未登記の建物は相続財産になります。土地だけに目を向けず、母屋・離れ・車庫なども確認しましょう。

なお、建物表題登記には申請義務があります。一般的な戸建て住宅など、表題登記のない建物の所有権を取得した場合は、原則として取得の日から1か月以内に申請することとされています。未登記と分かった段階で、早めに手続きを確認することが大切です。

⑤ 相談するときは、納税通知書と手元の建築資料を

「登記されているか分からない」という段階でも、まずは次のような資料を探してみてください。

  • 固定資産税の納税通知書・課税明細書

  • 手元にある土地や建物の登記事項証明書

  • 建築時の確認済証・検査済証・図面

  • 工事請負契約書・領収書・引渡しに関する書類

  • 相続がある場合は、遺言書や遺産分割協議書など

これらは、建物の内容や所有の経緯を調べる手掛かりになります。すべてそろっていなくても、残っている資料から確認を進められます。

毎年届く課税明細書は、建物の登記状況を見直すきっかけにもなります。

戸田測量設計GROUPでは、建物の資料調査・現地調査から表題登記などの手続きまで対応しています。所有権保存登記や相続に関する手続きは、司法書士法人TKパートナーズとも連携し、建物の状況に応じた進め方をご案内します。