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2026/11/7

役立情報

「登記できない」のに、固定資産税がかかる? 

「カーポートは建築基準法では建物になるのに、登記はできないと聞いた」
「登記の対象にならないなら、固定資産税もかからないのでは?」

実は、同じものでも、建築・登記・税金で扱いが異なることがあります。

今回は、建築基準法上の「建築物」と、不動産登記法上の「建物」の違い、そして登記の対象にならなくても課税されるケースをご紹介します。

① 屋根と柱だけでも、建築基準法では「建築物」

建築基準法では、土地に定着し、屋根と柱または壁を備えたものは、原則として建築物に該当します。

そのため、周囲に壁がないカーポートでも、建築物として扱われます。建ぺい率や構造などの基準を守る必要があり、地域や規模などによっては建築確認の手続きも必要です。

見た目が簡易な設備でも、建築のルールを確認する必要があるのです。

② 登記できる「建物」には、別の要件がある

一方、不動産登記規則第111条では、屋根や周壁などを備え、土地に定着し、その目的に使える状態にあることが、建物の要件とされています。

主に確認するのは、次のような点です。

・土地に定着し、継続して使用するものか
・屋根や周壁などによって、風雨をしのげる空間があるか
・住宅、倉庫、車庫など、目的に応じて使用できる状態か

屋根と柱だけの一般的なカーポートは、通常、登記上の建物としての要件を満たしません。建築基準法上の建築物に該当しても、建物として登記できるとは限らないのです。

なお、壁や囲いの状況、構造、用途などによって判断が変わるため、「カーポート」「物置」といった商品名だけでは決まりません。

③ 事業用なら「償却資産」として課税されることも

固定資産税の対象は、土地と家屋だけではありません。事業に使う設備などの「償却資産」も対象です。

例えば、屋根と柱だけの一般的なカーポートでも、使い方によって次のような違いがあります。

使用例

固定資産税上の扱い

自宅で、家族の車を停めるために使用

通常、家屋としての課税対象にはならず、事業用の償却資産にも該当しない

店舗で、お客様の車を停めるために使用

償却資産として課税対象になる

賃貸アパートの駐車場に設置

償却資産として課税対象になる

つまり、建物として登記する対象ではなくても、事業に使用する資産として課税されるケースがあります。事業用の簡易な物置や、駐車場の舗装、フェンスなども、償却資産に該当することがあります。

※課税対象に該当しても、免税点などにより実際の税負担が生じない場合があります。

④ 仮設事務所やモデルハウスも、設置期間などで判断

登記と課税の判断が分かれる例は、カーポートだけではありません。

工事用の仮設事務所や展示用のモデルハウスなどは、設置目的や期間によって、登記上の建物としての扱いが問題になります。

例えば安城市は、固定資産税の家屋の判断は不動産登記法に準じるとしたうえで、モデルハウスや建設事務所など、登記できない建物についても、設置期間によって課税対象と判断する場合があると案内しています。

「仮設だから」「いずれ撤去するから」という理由だけで、登記や税金の扱いを決めることはできません。構造や使用状況、設置期間などの確認が必要です。

⑤ 「未登記」と「登記の対象にならない」は違う

ここで整理しておきたいのが、次の違いです。

未登記の建物
建物としての要件を満たしているものの、登記手続きがされていない状態です。

登記の対象にならないもの
構造や設置状況などから、登記上の建物として扱われないものです。

前者は、登記がなくても家屋として課税されます。後者も、事業で使用していれば償却資産として課税対象になることがあります。

固定資産税の「家屋」は、基本的には不動産登記法上の建物と同じ考え方で判断されます。ただし、固定資産税には償却資産という区分もあり、登記の有無だけで課税の判断はできません。

設置前に、建築・登記・税金をそれぞれ確認しましょう

カーポートや物置などを設置するときは、建築の手続き、登記の対象になるか、税金の扱いをそれぞれ確認しましょう。

建物の登記については土地家屋調査士や管轄の法務局、固定資産税については所在地の自治体の担当窓口に確認できます。

敷地や建物の調査、登記に関するお困りごとは、戸田測量設計GROUPへご相談ください。